ねこビスク「鈴音」
ポリマークレイ、アクリルガッシュ、布、樹脂、胡粉
2025 10月
サイズ　
ドール本体　高さ30cm（立った状態）

大正から昭和へかけて、幼い女の子たちの憧れは人形でした。
市松人形はとても着せ替えには向いていませんが、それよりももっと小ぶりな着せ替えができて座ることのできる人形を、サクラビスクと呼びます。
そしてその頃さらに登場したのが、文化人形。
サクラビスクとは違い、こちらは布製の人形で、大きな瞳に小さな唇が特徴の可愛らしい人形です。
こちらも西洋からやってきた人形たちに影響を受けて、カラフルな子供用の着物生地を使用しながらもワンピースにボンネット、レースにリボンというおしゃれなドールです。

と、人形の説明をいたしましたが、私、奏はこのサクラビスクと文化人形、ひいては大正から昭和初期の文化が大好物でございます。
ドールを、立体作品が自分で作れると実感した時に真っ先に頭にあったのは、

「ねこのサクラビスク、文化人形を作りたい」

という考えでした。
欲張りな考えだなとも思ったのですが、猫が好きなので、猫にボンネットと文化人形なお洋服を着せたら……かわいいに違いないじゃないですか。

試行錯誤、そして完成したのがこちらのドールです。

白猫の、表情も豊かなおしゃれな子ができました。
きているワンピースは、子供用の振袖になるはずだった生地を譲り受けて仕立てたものです。
特別な、本当に特別な、ドールです。

座ることも、できます。

（目はグラスアイではなく、手描きで描いています）



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(The eyes are not glass eyes, but hand-drawn.)
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